PATA
デスクトップ PC の更改に向け、 更改後に使用できなくなることが想定されるデバイスをピックアップしていく。 PCI, SCSI, MO, HDDそして FDDに引き続き、 今回はパラレルATA(以下、PATA)を取り上げる。
PATAは元々IDEとかATAと呼ばれていた規格で、 データの伝送にパラレル方式が使われていた。 後に、シリアル方式に改めたシリアルATA(以下、SATA)が登場したため、 元々のATAをPATAと呼ぶようになったものである。
前回 PC を更改した際には、HDD は SATA が主流になってきていたが、 光学ドライブは PATA が普通だった。 そのため、DVDスーパーマルチドライブをPATAで接続している。 また、古いIDE HDDが何台かあり、普段は使用しないので電源をはずしてあるが、 必要に応じてPATAで接続して使用することがある。
DVDスーパーマルチドライブ
現在使用しているのは、 Panasonic LF-M821JD だ。 このドライブは殻付き(カートリッジ入り)DVD-RAMメディアが 使用できるので購入した。 現代的な片面 4.7 GB 殻無し DVD-RAM メディアが一般化する以前、 古い片面 2.6 GB および両面 5.2 GB の殻付き DVD-RAM メディア に対応したドライブを使用していたことがあり、 過去資産の有効活用という意味合いがあった。 knoppix 7.0.2 で取った dmesg を抜粋すると以下のようになる。
ata_piix 0000:00:1f.1: version 2.13 ata_piix 0000:00:1f.1: setting latency timer to 64 scsi4 : ata_piix scsi5 : ata_piix ata5: PATA max UDMA/100 cmd 0x1f0 ctl 0x3f6 bmdma 0xf000 irq 14 ata6: PATA max UDMA/100 cmd 0x170 ctl 0x376 bmdma 0xf008 irq 15 ata5.00: FORCE: horkage modified (noncq) ata5.00: ATAPI: MATSHITADVD-RAM LF-M821, A104, max UDMA/66 ata5.00: configured for UDMA/66 scsi 4:0:0:0: CD-ROM MATSHITA DVD-RAM LF-M821 A104 PQ: 0 ANSI: 5 sr0: scsi3-mmc drive: 125x/125x writer dvd-ram cd/rw xa/form2 cdda tray cdrom: Uniform CD-ROM driver Revision: 3.20 sr 4:0:0:0: Attached scsi CD-ROM sr0 sr 4:0:0:0: Attached scsi generic sg1 type 5
本ドライブの片面 2.6 GB および両面 5.2 GB メディア対応は、 読み込みのみであり、書き込みができない。 書き込めないメディアの使用頻度は自ずと低くなっていき、現在では、ほぼ使わなくなっている。 本ドライブが登場した頃は、片面 4.7 GB 殻付き DVD-RAM メディアでも、 殻を外せるタイプのものが出回っていたし、 現代では一般的な殻無し DVD-RAM メディアも出回りつつあった。 これらのメディアは殻無し専用の現代的なドライブでも問題なく使用できる。 というわけで、使用頻度の低い殻付きメディアを何とかした上で、 現代的な SATA インタフェースの BD ドライブに換装することにしよう。
PATA HDD
他にも使用頻度が低いがPATA HDDが何台かある。 一番新しいPATA HDDについて、knoppix 7.0.2 で取った dmesg を抜粋すると以下のようになる。
pata_it821x: controller in pass through mode. pata_it821x 0000:04:06.0: setting latency timer to 64 scsi6 : pata_it821x scsi7 : pata_it821x ata7: PATA max UDMA/133 cmd 0x9410 ctl 0x9800 bmdma 0xa400 irq 22 ata8: PATA max UDMA/133 cmd 0x9c10 ctl 0xa000 bmdma 0xa408 irq 22 ata7.00: FORCE: horkage modified (noncq) ata7.00: ATA-5: QUANTUM FIREBALLP AS40.0, A1Y.1300, max UDMA/100 ata7.00: 78177792 sectors, multi 0: LBA ata7.00: configured for UDMA/100 scsi 6:0:0:0: Direct-Access ATA QUANTUM FIREBALL A1Y. PQ: 0 ANSI: 5 sd 6:0:0:0: [sdb] 78177792 512-byte logical blocks: (40.0 GB/37.2 GiB) sd 6:0:0:0: [sdb] Write Protect is off sd 6:0:0:0: [sdb] Mode Sense: 00 3a 00 00 sd 6:0:0:0: [sdb] Write cache: enabled, read cache: enabled, doesn't support DPO or FUA sd 6:0:0:0: Attached scsi generic sg2 type 0 sdb: sdb1 sd 6:0:0:0: [sdb] Attached SCSI disk
基本的には SCSI HDD と同様に、バックアップ、消去、廃棄、という流れにすべきであろう。 とはいえ、容量も大きいし、何台かある。 一応、USB 2.0 接続の IDE HDD ケースを所有しているので、 PATA ポートが無くなっても、USB 経由で接続することは可能だ。 というわけで、急ぐ必要は無いことになる。
SATA - PATA 変換
PATAデバイスについてはDVDもHDDも基本的には処分、という方向性ではあるが、 処分するにはメディアのバックアップや消去など、手間も時間もかかる。 一方で、マザーボードの SATA ポートへ PATA デバイスを接続するための SATA - PATA 変換アダプタも出回っている。 この手のアダプタが使えればPC更改後であってもPATAデバイスが使えるようになり、 PC更改までにPATAデバイスを処分しなければならない、 というような時間的制約から解放される。 値段もさほど高くは無いので、1つ用意しておくのもよいだろう。
2004 年と少々古いが、 SATA-PATA変換アダプタを介してATAPIデバイスが動かないワケ という記事もあるので、DVDドライブのようなATAPIデバイスを動かすには、 ATAPI対応の変換アダプタでなければならない。 とはいっても、そのような製品はたくさんあるようだ。 その中から、双方向の変換が可能、基板がむき出しでない、取り回しが自由な構造、 といった特徴のある、 システムトークス SATA-TR150TW を購入した。この使用感などについては回を改めたい。