Live Linux
前回 や 前々回 に使用した KNOPPIX という Live Linux について書いてみることにする。 HDD へのインストールが不要で、 DVD メディアから直接 Linux を起動させることができるものだ。 同様のものは、いくつか種類はあるようだが、日本語が使えるものだと、 KNOPPIX が有名だろう。
KNOPPIX
RINGサーバ あたりから、最新の iso ファイルをダウンロードした。 ファイル名は knoppix_v7.0.2DVD_20120530-20120615.iso であった。 このイメージファイルを DVD-R に焼き付ける。 (一応、念のため、上記をファイルとして焼くのではなく、 イメージとして焼かなければならない。) あとは、DVD から起動すればよい。 DVD から起動すると、まず図1の画面になり、 ここでしばらく待つと、kernel が読み込まれて KNOPPIX が立ち上がる。
オプション
図1の状態の時は、boot: というプロンプトが出ており、 様々なオプションを与えることができる。 例えば、環境によっては dmesg のバッファが足りなってしまい、 dmesg コマンドを実行しても、一番最初のメッセージが読めないことがある。 そこで、バッファを増やすには以下のようにすればよい。
boot: knoppix log_buf_len=65536
「boot: 」までは表示されているので、その後ろの knoppix log_buf_len=65536 を入力してEnterを押せばよい。 なお、日本語キーボードを使用している場合、 キー配列がUSキーボードだとみなされてしまうため、 アンダーバーやイコールなどの記号は、そのまま入力できない。 アンダーバーは Shift キーを押しながら、0 (ゼロ)キーの 1 つ右 (「−」「=」「ほ」)のキーを押せばよい。 イコールは、そのさらに 1 つ右隣 (「^」「〜」「へ」)のキーを単独で押せばよい。 また、65536 でも足りなかった場合には、もっと大きい数字を指定すればよい。 ただし、バッファを取りすぎると、その分使用できるメモリが減ってしまうため、 あまり増やし過ぎないようにしたほうがよいだろう。
なお、dmesg で見てみると、オプションはデフォルトでは以下のようになっている。
ramdisk_size=100000 lang=ja apm=power-off initrd=minirt.gz nomce libata.force=noncq hpsa.hpsa_allow_any=1 loglevel=1 tz=Asia/Tokyo BOOT_IMAGE=linux
この中の libata.force=noncq というのは、SATA の NCQ を無効にするオプションだ。 NCQ を有効にしたまま起動したければ、「boot: 」のところで以下のようにすればよい。
boot: knoppix log_buf_len=65536 libata.force=ncq
オプションの一覧も参照するといいだろう。
SSH Server
KNOPPIX は DVD から起動するため、HDD が無くても利用可能だ。 ホームディレクトリは RAMDISK にあるので、 そのままでは何か保存しても電源を切ると消えてしまう。 このままでは操作ログ等を保存するのも大変だ。 そこで、SSHを使って他のマシンとやり取りできるようにすることができる。 まず、KNOPPIX 起動後に表示される画面の左下を図2に示す。
一番左のアイコンをクリックしてメニューを出し、 図3のように、「Knoppix」→「Start SSH Server」と進む。
すると、新しいウィンドウが開き、鍵の準備などが行われてから、 ログインパスワードを何にするか聞かれる。
Set password for user 'knoppix' 新しいUNIXパスワードを入力してください:
適当なパスワードを入力し、再度確認で入力すると、以下のようになる。
Set password for user 'knoppix' 新しいUNIXパスワードを入力してください: 新しいUNIX パスワードを再入力してください: passwd: パスワードは正しく更新されました Hit Return to continue.
ここで Enter キーを押せば、このウィンドウが閉じられる。 もう SSH Server は起動しているので、ターミナルを開いて (図2の左から3番目のアイコンをクリックすればよい) ifconfigコマンドで自分のIPアドレス(DHCPで自動取得になってている) を確かめれば、別のマシンから SSH で接続できる。 ログイン名は knoppix で、パスワードは先ほど指定したものだ。 なお、起動するたびにホストの鍵が生成されなおすので、 SSHクライアント側で鍵が違うという警告が出てしまうが、これは仕方ない。 また、公開鍵を送り込むことが難しいので、公開鍵認証ができず、 パスワード認証しかできない。 一応、直結しておくなり、同一LAN内かつ他によくわからないホストがいない、 という状態であれば問題ないだろう。インターネット等の、 信頼できないホストがいるところから、 直接アクセスできるような状態にしない方がよい。
シャットダウン
使った後はシャットダウンしなければならない。 図2左端のアイコンをクリックしてメニューを出し、 図4のように、「ログアウト」をクリックする。
すると、図5のようなダイアログが出るのだが、 なぜか選択肢に「シャットダウン」が無い。
仕方なく、「キャンセル」ボタンを押して、 再度メニューを開いて「ログアウト」をクリックすると、 今度は図6のように、 今度は選択肢に「シャットダウン」が現れる。
ここで「シャットダウン」ボタンを押せばよい。 すると、以下のような表示で一旦止まる。
INIT: Entering runlevel: 5 Shutdown complete. [xxxxx.xxxxxx] SysRq : Emergency Sync [xxxxx.xxxxxx] SysRq : Emergency Remount R/O Please remove CD, close cdrom drive and hit return [2 minutes].
私の環境では、記述に反し、 この状態ではドライブのトレーがロックされたままで、 メディアのイジェクトができなかった。 ここでEnter キーを押すとシャットダウンされ、 再起動するとイジェクトできるようになった。