電源の換装
前回の記事の続きである。 電源の換装をするのだが、その前にやらなければならないことがあった。 それはケース側の対応だ。
MT-PRO2000
現在使用しているケースは MT-PRO2000DP という1999年頃に発売されたATXケースだ(図1)。 これは、 WiNDy MT-PRO2000 のカラーバリエーションとして登場したもので、 HDD増設用オプショナルキット も購入した。 もうかれこれ10年以上使っている年代物ではあるが、 当時は高級ケースとして一世を 風靡した。 購入時に、ある知人から「よくこんなバブリーなケース買う気になりましたね」 などと揶揄されたものだ。 しかし、その後このケースの製造元・販売元は、 いろいろあって最終的には無くなってしまった。

現代的に見れば大したこと無いケースなのだろう。しかし当時は違った。 他が悪すぎた、ということなのかもしれない。 他社の品質が向上してくれば、相対的に埋もれてしまい…ということだろう。 ともあれ、高かったのである。 ケースとしては何ら問題なければ、このまま使い続けたい。 だが、問題があったのだ。それがまさに電源ユニットを搭載する部分なのだ。
電源ユニット搭載部
1999年当時といえば Pentium II から Pentium III ぐらいの頃だ。 MT-PRO2000に搭載されている電源ユニットは、 Pentium 4で導入された ATX12V 規格に非対応なのだ。 よって、電源ユニットを交換しなければ Pentium 4 以降が使えない。 そこで、2004年頃に Pentium D を導入した際に電源ユニットを交換したのだが、 これが、かなり無理やりな状態になってしまっていた。

図2の写真で、おわかりいただけるだろうか。 電源ユニットを背面から見て、 左側にAC電源コネクタと電源スイッチが配置されているのだが、 ケースがAC電源コネクタに干渉している。 また、せっかく電源ユニットの背面が全面通気できるメッシュ構造になっている にもかかわらず、 ケースが変な形に遮って しまっている。 そう、このケースの変な形は、 元々搭載されていた電源ユニットの形に合わせた開口形状なのだ。 元の電源ユニットは、 左側の丸くなっている部分に電源ユニットの冷却用ファンがあって、 右側の四角くなっている部分にAC電源コネクタと電源スイッチがあったのだ。 では、写真の電源ユニットでも上下を引っくり返して、 AC電源コネクタが右側へ来るように設置すればよいではないか、 と思われるかもしれない。しかし、それはできないのだ。

図3はケースの側面を開けて、 下のほうから電源ユニットの底面を撮影したものである。 四角い開口部からファンガードが見えているのがわかるだろうか。 そこが電源ユニットだ。 そう、この電源ユニットの底面には冷却ファンがあるのだ。 よって、電源ユニットの上下を引っくり返すと、 冷却ファンが上面にきて、 天板に塞がれてしまい、 冷却できなくなるのだ。 冷却ファンが動作するよう、底面へ来るように、電源ユニットを配置すると、 図2のように、AC電源コネクタを左にせざるを得ないのだ。 また、同じく図3から、 冷却ファンの口径より開口部の方が小さいこともわかるだろう。 とはいえ、多少AC電源コネクタが干渉していようが、 多少冷却口が狭かろうが、とりあえず動作はするので、それで何とか使っていた。
新しい電源ユニットを乗せてみる
まずは、前回購入した
新しい電源ユニット
ENERMAX Platimax EPM600AWT
を乗せてみよう。

とりあえず、きちんと乗った、かのように見えるのだが…。

AC電源コネクタの部分は、やはり干渉してしまっている。 もちろん無理やりAC電源コードを接続することはできるのだが、 あまりカッコいいものではない。 また、この電源ユニットはAC電源コードの抜け防止パーツがついているのだが、 この状態では抜け防止パーツが取り付けられない。


次に、電源ユニット取り付け用のネジ穴だが、 図6で、おわかりいただけるだろうか、 位置が合っていないのだ。 電源の方が高い位置になってしまっていて、このままでは固定できない。 では、なぜ電源ユニットが上にズレてしまっているのだろうか。

図7は図3と同様、 底面側から電源ユニットを撮影したものである。 底面ファンの大部分が隠れてしまっている。 では、電源ユニットの底面ファンはどうなっているだろうか。

電源ユニットの底面は図8のように、 ファンガードとファンガード取り付けネジが出っ張っている。 この出っ張った分、電源ユニットが上に浮いてしまい、 取り付けネジの位置が合わなくなっているのだ。
さて、困った、どうしよう、というところで、 次の記事にしよう。