Texinfo 6.3 リリース



正式リリースされました

Texinfo で日本語 PDF を生成本家 Texinfo に取り込まれました で紹介させていただいていた、日本語 PDF 生成に対応した Texinfo が、ついに正式版 Texinfo 6.3としてリリースされました。

NEWS にある、下記 3 点が拙作のものになります。

Texinfo とは

TexinfoGNU の公式文書フォーマットです。 1 つのテキストファイル(Texinfo ソースファイル)から Web (html), info, PDF など、複数の形式で出力ができます。 GNU に限らず、 様々なフリーソフト・オープンソースソフトのドキュメントに使われています。 例えば、楽譜作成プログラム LilyPond の Web page やマニュアルは Texinfo で生成されたものです。

使い方

環境やだいたいの使い方は、 本家 Texinfo に取り込まれました に書かせていただいていますが、

ですので、TeX Live 2016 を日本語と中国語で使えるようにインストールすれば、 LuaTeX でも XeTeX でも使えるようになると思います。

Texinfo ファイルの作り方

Texinfo 6.3 には、日本語のサンプルファイルとして、 short-sample-ja.texi が同梱されています。 最初は動作テストも兼ねて、 これをそのままコンパイルしてみるとよいと思います。 うまくいったら、中身をいじってみたりしながら、 あれこれ試してみるとよいと思います。

一応、Texinfo ファイルのちゃんとしたマニュアルは、英語ですが あります 。少々古いようですが日本語のものもあるようですので、 ググって探してみるとよいでしょう。 バージョンが違っても、書き方は大きく変わっていないはずですので、 かなり参考になると思います。

なお、Texinfo という名前で TeX をバックエンドに使ってはいますが、 TeX や LaTeX の文法とはかなり違います。 TeX がバックエンドとして使われるのは PDF を生成するときだけで、 html 等を生成するときには TeX は使われません。 何か凝ったことをしたいとかでない限り、 普通に使っている分には TeX 言語の知識は不要と思います。 ただ、それだとエラーメッセージが出た時に何が何だかわからない、 ということにはなる、かもしれません。。。

他に、LilyPond をはじめ、日本語で書かれた既存の Texinfo ファイルが結構あると思います。 そういうものを参考にしてみるとよいと思います。 ただし現時点で、 既存のものは LilyPond も含め、 拙作の日本語対応を前提にしていないものがほとんどですので、 本家 Texinfo に取り込まれました で書いたように、多少書き換える必要があると思います。

また、下記の github リポジトリに、他の日本語 texi ファイルのサンプルや、 実際に生成した PDF なども置いてあります。
https://github.com/trueroad/texinfo-sample-jp